九井一はゆめみる少女の夢を見ない。

推しは今日も尊いのに、わたしは今日も死にたくて仕方ない。

精神疾患はともかくとして(そもそもこいつのせいでこんなに辛い思いをしているわけだが)、その他抱える諸問題に関しては身から出た錆なため誰も頼れない。人間誰一人として周りの人間を頼りにできないとき、死を選ぶものではないだろうか。

遺書はまだ書いていない。この地獄みたいな世界に産んでくれた両親に対して綴る言葉など最早ないし、あったところで上辺を取り繕うだけのものだろう。それよりもわたしはずっとお花畑みたいな頭で好きな人に思いを馳せたいのだ。一秒でも長く。

自殺する日はまだ決まっていない。諸々の約束事を終えたらはるしにゃんやメンヘラ神のように、成功するように、けして生き残らないように、投身自殺を図ろうと思う。

わたしはもう疲れたのだ。ただ推しと静かに眠りたい。

推しは今日も尊いのに、わたしは今日も死にたくて仕方がなかった。